嵐山 K邸

 敷地は洛西の名勝地である嵐山のただ中にある。表通りは観光客でごった返すが、表通りから引込んでいるため、閑静な住宅地となっている。
 場所柄、建蔽率が40%、高さが10mと景観規制は厳しく、敷地は50坪あるが建築面積は15坪しか取れない。また、総2階建はだめとあって延床面積が30坪足らずのコンパクトな住宅である。
 一方、防火規制は緩くなっているため、外壁の真壁及び化粧軒裏が可能である。しかし、通常は筋違や断熱材を入れる必要があることや構造材を化粧にするとコストが高くなるなどの理由で大半は大壁に化粧柱を貼り付けることになる。
  それをここでは施主の理解を得て、1等材の柱や壁をそのまま見せる形で真壁造とした。内部も同様に真壁で柱を見せ、1階の広間は上階の床板と小梁を露しにした大和天井にしている。ただし、工期から木舞壁には出来なかった。
  4、50年前であればごく当り前のつくりであるが、今では新鮮に映るらしく、通りがかりの人の注目を集めている。

Information

所 在 地 京都市右京区 構  造 木造
敷地面積 165.30㎡ 階  数 地上2階建
建築面積 58.56㎡ 用  途 専用住宅
延床面積 95.07㎡ 完成年月 平成12年6月