京しみず

 脳外科を主な診療科目とする総合病院が事業主体である老人保健施設である。病院と家庭の間、及び収容施設と家庭介護の間を埋めるという意味で「中間施設」と位置づけられる老人保護施設であるが、脳外科手術で命は救えたがその後の生活で患者や家族に過大な苦労が課せられてしまうという現状を何とかしたいというのが病院の切なる想いであった。
 配置としては、できるだけ建物を北側に寄せ南側は診療所などの将来用地として残し、療養室棟を西と東の2棟に分け変形した敷地形状なりに棟の軸に角度をつけ両棟を共用部で継ぐ形とした。西棟は、道路騒音や西陽の侵入を防ぐため十分な植樹帯を設けている。平面としては、東西両棟を結ぶ棟の南面部分にデイルームなどの入所者が日中暮らすスペースを設けた。階構成としては1階に共用・管理部門、2階に一般床を、そして3階には痴呆専門床を設け機能毎に明確に分けた。外観は屋根を懸け施設臭の少ない住まいらしさの感じられるものとした。

Information

所 在 地 京都市伏見区 構  造 鉄筋コンクリート造
敷地面積 3,823.37㎡ 階  数 地上4階建
建築面積 1,556.33㎡ 用  途 老人保健施設
延床面積 3.928.22㎡ 完成年月 平成11年10月