京都医療センター新中央診療棟

 独立行政法人への移行により改称されたもとの国立京都病院における敷地内新築工事である。本事業の目的は大きく二つあり、狭隘となっている部門(救命救急センター、リハビリセンター、手術室)の拡張、そして新たな病棟(特室病棟、緩和ケア病棟)の設置であった。それらの要求を一棟で解決するために、2階が救命救急センター、3・5階が病棟、4階がリハビリ部門及び多目的ホール、6階が手術室といった、各階で用途が異なる高機能・高集約型の建物となった。3階特室病棟は全室個室としつつ、換気設備は重大な感染症が発生した場合に隔離病棟として利用できるスペックとした。
また多目的ホールは災害発生時の支援のために医療ガス設備を設けるなど、現代の拠点病院に求められる様々な機能を備えている。
 外観にあってはタイルと化粧打放しの組み合わせで独自の意匠をあたえつつも、抑えめの色彩に既存病棟と同じ色調のタイルを採用するなど、既存建物との調和に配慮している。またインテリアにはカラーコーディネーターを起用、また京都で活躍するアーティストに壁画を依頼するなど、「元気になる病院」というコンセプトのもと、様々な試みがなされている。

Information

所 在 地 京都市伏見区 構  造 鉄筋コンクリート造
敷地面積 59,958.36㎡ 階  数 地上6階建
建築面積 1,952.25㎡(全体 17,789.18㎡) 用  途 病院
延床面積 8,671.93㎡(全体 69,345.32㎡) 完成年月 平成22年12月