東山 法華寺

 京都市街から山科へ抜ける、五条通の隧道をくぐる手前の小高い山に、法華寺がある。この山の南斜面が過去に度々崩落しており、そのための防災工事が、堂宇再建の理由である。
 機能上から、本堂と庫裡を接続した。本堂と庫裡の軸線のズレは、境内の区画線の角度の反映であるが、それ程広くない境内地に拡がりを、持たすためでもある。
 形態的には、平面上一体となった本堂・庫裡を、外観上、分節して表現することに意を注いだが、回廊を設け、下屋で両棟を縫い合わすことで、建築としての統一感をも計った。
  元の本堂の屋根は、魅力的な反りむくり(反転曲線)の、非常に珍しい形式であるが、その前の本堂は、二重屋根だったことが、 寺に残る絵図で分かっており、再建本堂は、反りむくりの二重屋根としイメージの継承を計った。

Information

所 在 地 京都市東山区 構  造 木造
敷地面積 3,723.93㎡ 階  数 地上2階
建築面積 447.53㎡ 用  途 寺院
延床面積 370.04㎡ 完成年月 平成6年11月