特別養護老人ホーム やすらぎ苑

 広域型80床の特別養護老人ホームの移転新築プロジェクトである。
 敷地は東舞鶴駅に程近く、西側で幹線道路、北と東側で生活道路に面している。周辺は店舗や住宅が建ち並んでいる。
 移転は、それまでの緑豊かな郊外から市街地へ、多床室から個室へといった環境の変化を伴うもので、施設として、また入居者にとって、どういった在り方が望ましいか建築主と議論を重ね、「心地よい居場所づくり」と「地域との交流」をテーマに設計を行った。
 1ユニットは10人の入居者の生活の場となる。食事や団らんのために集まり過ごす共同生活室をあえて道路に面した位置に計画した。明るく、山の緑が遠望でき、風が抜け、隣のユニットの生活が垣間見え、また、街の様子も伺える。施設の中からも外からもお互いの気配を感じることができる。
 地域の方々にも気軽に利用いただけるように、地域交流スペースを主玄関入ってすぐの位置に計画した。そこではボランティアによるコーラスなどが開かれており、地域の方々はもちろん、入居者もユニットから「出かける」場所になっているそうだ。
(文責:木田)

Information

所 在 地 京都府舞鶴市 構  造 鉄筋コンクリート造
敷地面積 2,256.13㎡ 階  数 地上4階建
建築面積 1,363.08㎡ 用  途 老人福祉施設
延床面積 4,017.44㎡ 完成年月 平成31年3月